新語や流行語はどんなときに生まれるのか
新語や流行語は、いま使っていることばに対し違和感や不自由を感じたときに生まれるものだが、新しい語とこれまで使ってきた語の音相を比べると、新しい語は古い語に比べ常に明るさや暗さ(+Bまたは-B値)や強さ(H値)が高ポイントであることを発見する。
在来語 新しい語
・ すごく → メッチャ
-B2.1 H3.0 → +B2.2 H4.0
・ すぐ → ソク(即)
-B3.7 H1.7 → +B0.7 H2.0
・ のろい → にぶい → とろい
+B0.0 H1.8 → -B1.2 H3.2 → +B1.4 H3.3
また最近使われている「いかつく」は「怒る」と「むかつく」の合成語だが、
・ 怒る → むかつく → いかつく
+B1.7 H3.1 +B4.3 H4.8 +B5.3 H5.8
で、やはり「いかつく」のインパクトが一番強い。
このように、日本語はいつの時代も穏やかでやさしい音から、表情豊かで強い響きの音に変わってきた。
音相を分析しながら、このようなことばの移ろいぶりを見て行くと、生き物としての「ことば」の生態がはっきり見えてきて面白い。