必然的に生まれたことば「激○○]     ・・・研究員のレポートから | 日本語好きな人、寄っといで

必然的に生まれたことば「激○○]     ・・・研究員のレポートから

 カレーやラーメンに「激辛」という表示がよく目につく。
 これは「大辛」よりも辛いことを意味するが、若者の会話の中では「激ウマ」「激ヤバ(非常にヤバイ)」「激ボケ]「激アマ」など、物ごとを強めるときの形容詞として広く使われている。
 「激」という語の音相を分析すると、この語は「強さ、明るさ、個性的」という表情特性をもっているため、意味と音が作るイメージとが絶妙にマッチしていて、音相的に優れたことばであることがわかる。
 そのようなことばに、「超」「ソク」「メチャ」などがあるが、これらを分析するとやはり活力と明るさと軽さなど、若者が好む表情語を持っている。
 いずれも多少奇を衒(てら)う気分を含んだことばだが、音楽的に高い感性を持つ若者たちがありきたりのことばに飽きたとき、どんなところにもピッタリはまる、何とも見事なことばである。
(研究員・けいた)