女性誌「JJ」(ジェイジェイ)(光文社)・・・改めて「女性の実態」を見直そう
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「JJ誌」は2~30歳代の、都市派女性に向きの月刊情報誌です。
表情解析欄の高点部分に高級、優雅なセレブ女性を思わせる表情語が並び、情緒解析欄の情緒語がそれらを適切なイメージでフォローしていることがわかります。
だがこの層が、現代の消費者構造でいうF1層(Female 1層・・・20歳~34歳の女性)という存在であるのを思うとき、この分析表の表情語「シンプル感」、「躍動感」「軽快感」「強さ」「溌剌さ」などがすべて「ゼロ」ポイントになっているのがたいへん気になるところです。
この雑誌がF1層をなぜ意識に入れなかったのか。
いやそれは、JJ誌が見落としたのではなく、ここ20年ほどの間に若者の側に目立った質的分化があったからなのです。
この分析表で高点が出ている表情語は、現代では4~50歳代以上の女性にも当てはまるほど「若者・女ざかり・中年・初老」の概念が変わったからなのです。
ちなみに、JJ誌の創刊を調べてみたら30年前の昭和53年。そんな変異がまだ顕著に見られない頃のことばだったのです。
JJ誌30年の歴史の重みを残しながら、タイトルを考えるべきときにきているように思うのです。
このことは、男女を問わず若者向け商品名一般についてもいえる大きな課題なのですが、現代の若者ムードを言語化するにはどんな音を使えばよいかが問題です。
それは一言でいえば、「JJ」の分析表にある
「有効音相基欄・・・有声音多用、濁音多用、マイナス輝性、逆接拍多用」
が作る音相と、全く反対のイメージを作る「無声音」と「順接拍」を大幅に取り入れることなのです。
これらを加えることにより、現代の若者ムードはいかようにでも表現できるのです。
ちなみに、無声音とはk, s, t, p, hの各行音とそれらの拗音をいい、順接拍とは子音と母音がプラスあるいはマイナスの同じ方向を向く拍をいいます。