「TSUBAKI」(資生堂)・・・表情の華やぎが情緒を消した | 日本語好きな人、寄っといで

「TSUBAKI」(資生堂)・・・表情の華やぎが情緒を消した

tsubaki

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 資生堂、シャンプーのブランド名、「TSUBAKI」。
 表情語のトップに「清らか、爽やか」をおき、それに「暖かさ」、「個性的」、「若さ」、「シンプル感」、「高級感」、「都会感」が続いて明白、華麗なブランド・イメージが作られています。
 だがこの語には、大きな問題点があるようです。
 ブランド名のように、情緒感や奥行き感がほしい語の場合は、情緒解析欄に「あいまい感」「不透明感」「不思議な感じ」などを含めた6~7語の情緒語がほしいのですが、ここでは3語しか出ていません。
 そのため、この語にはことばの奥から伝わってくる「情緒」のようなものがないのです。
 それは薄青色の「表情語」(R、T、Q、S項など)のポイント数が低いことによるものですが、このような音相になったのは無声音の多用 (拍数対比で67%→標準値は47%)と、高勁輝拍の多用 (拍数対比で79%→標準値は36%) に主な原因があることを、有効音相基欄が捕らえています。

 無声音とは声帯を振動させずに出す「カ、サ、タ、ハ」各行音とその拗音をいい、高勁輝拍とはB(明るさや暗さ)とH(強さ)の値が標準値より高い拍をいいます。

 表情語が作るイメージの絢爛さに中心が行過ぎて、奥行きや情緒感の見えない語になっているのが残念です。