「ポカリスエット」と「アクエリアス」・・・どちらにもある表現の不足
スポーツなどの後で飲む、水分補給用のドリンクです
この種のドリンクの名前には、炭酸飲料や茶系飲料など普通の清涼飲料と違う「スポーティー」な雰囲気と、「化学的成分がもたらす効用」をイメージ的に表す音が入っていなければなりません。
これら2つのネーミングが、どの程度それを表現しているか捉えてみようと、音相分析をしてみました。
画像をクリックすると大きくなります。
まず、「スポーティー」な感じを表すには、次の表情語が高点で出ていなければなりません。
また「化学的成分がもたらす効用」を表すには、複雑さや多様感をつくる淡(あわ)い青色の表情語
が高点でなければなりません。
(注)表情解析欄の青い棒グラフは、次の違いを示します。
ポカリスエット(大塚製薬)
表情解析欄の高点部分に単純明白なスポーティー感をつくる濃い青色の表情語
D、J 、M、H、A、F項
が並び、一段低めて「成分的効用」を表す淡い青色の表情語
P、R、S、T、Q項
が並びますが、成分的効用の表現が弱いため、一般の清涼飲料と同じようなイメージしか伝えていない語であることがわかります。
アクエリアス(日本コカコーラ)
この語は「成分的効用」をイメージさせる淡い青色の表情語
T、P、Q、R、S項
を高点部分に立てているが、スポーツ感を作る濃い青色の表情語
F、B、C項
のポイント数が極めて低いため、成分的な効用ばかりが強調されて軽やかな清涼飲料のイメージを感じない語であることがわかります。
成分的な効用の強いアピールが功を奏してか、販売成果は高いようですが、この語にもしスポーティーな音が入っていたら、格段の成果が上がっていたものと惜しまれるところです。
「ポカリスエット」が成分的表現を欠いたのは、無声音と高勁輝拍が多すぎたからであり、「アクエリアス」がスポーツ感を欠いたのは、有声音と逆接拍が多すぎたからであることを、それぞれの「有効音相基欄」が示しています。
この種のドリンクの名前には、炭酸飲料や茶系飲料など普通の清涼飲料と違う「スポーティー」な雰囲気と、「化学的成分がもたらす効用」をイメージ的に表す音が入っていなければなりません。
これら2つのネーミングが、どの程度それを表現しているか捉えてみようと、音相分析をしてみました。
画像をクリックすると大きくなります。
まず、「スポーティー」な感じを表すには、次の表情語が高点で出ていなければなりません。
「シンプル感、明白さ」 | A項 | 「躍動感、進歩的」 | B項 |
「新鮮さ、新奇さ」 | C項 | 「動的、活性的」 | D項 |
「軽やかさ、軽快感」 | F項 | 「若さ、溌剌さ」 | G項 |
「都会的、現代的」 | H項 | 「開放的、明るさ」 | I項 |
「強さ、鋭さ」 | L項 | 「健康的、清潔感」 | O項 |
また「化学的成分がもたらす効用」を表すには、複雑さや多様感をつくる淡(あわ)い青色の表情語
「暖かさ、安らぎ」 | P項 | 「安定感、信頼感」 | Q項 |
「高級感、充実感」 | R項 | 「高尚さ、優雅さ」 | S項 |
「静的、非活性的」 | T項 |
が高点でなければなりません。
(注)表情解析欄の青い棒グラフは、次の違いを示します。
- 「活力感、若さ、シンプル感、現代感」など、明るさや活性感などプラス方向を向く表情語。
- 「高級、優雅、落ち着き、安定感」など、複雑で非活性的なマイナス方向を向く表情語。
- プラス、マイナス、どちらにも機能する表情語。
ポカリスエット(大塚製薬)
表情解析欄の高点部分に単純明白なスポーティー感をつくる濃い青色の表情語
D、J 、M、H、A、F項
が並び、一段低めて「成分的効用」を表す淡い青色の表情語
P、R、S、T、Q項
が並びますが、成分的効用の表現が弱いため、一般の清涼飲料と同じようなイメージしか伝えていない語であることがわかります。
アクエリアス(日本コカコーラ)
この語は「成分的効用」をイメージさせる淡い青色の表情語
T、P、Q、R、S項
を高点部分に立てているが、スポーツ感を作る濃い青色の表情語
F、B、C項
のポイント数が極めて低いため、成分的な効用ばかりが強調されて軽やかな清涼飲料のイメージを感じない語であることがわかります。
成分的な効用の強いアピールが功を奏してか、販売成果は高いようですが、この語にもしスポーティーな音が入っていたら、格段の成果が上がっていたものと惜しまれるところです。
「ポカリスエット」が成分的表現を欠いたのは、無声音と高勁輝拍が多すぎたからであり、「アクエリアス」がスポーツ感を欠いたのは、有声音と逆接拍が多すぎたからであることを、それぞれの「有効音相基欄」が示しています。